四住期

インドでは人生を4つの時期に区分する四住期という考え方があるそうです。

最近読んでいる「科学で解くバガヴァッド・ギーター」(スワミ・ヴィラジェシュワラ大師著)に丁寧に解説されているので紹介します。

「人生の最初の時期は勉学の期間で学生期と呼ばれる。学問の修めた後の時期は家住期と呼ばれ、この期間においては結婚し責任を持って家庭を維持しなければならない。次に第三の時期においては森の中に隠遁し、静慮を行ずる生活に入らなければならない。これは林住期と呼ばれる。最後の第四の段階は遊行期であって、俗世のすべての執着を捨てて遊行者にならなければならない」ということです。

著者であるヴィラジェシュワラ大師は現代的な四住期を次のように説明しています。

「現代においても、あまり厳格ではないがこれら人生NIおける四つの時期が存在している。青年期には学校で教育を受ける。青年期には学校で教育を受ける。次の段階では結婚し、何らかの職業に就いて収入を得て家族を世話し子供を育てる。第三の時期では仕事から引退し家庭と仕事とを息子に任せる。最後の時期においては老衰するか、または病気を患い寝たきりとなるか病院に入院するか養護施設に収容されるかのいずれかとなる。」

問題は後半の2期です。師は次のように現代の後半2期をあらわしています。

「現代では最後の二つの段階の林住期と遊行期は、それぞれ現役からの引退と病院や老人養護施設に収容されることとなっている。ところがこれらの各時期において現代の人々は、感覚器官の働きをコントロールしたり執着を捨てる代わりに、お金を更に儲けようとしたり政治と関わったり、離婚と再婚を繰り返したり、妻子と喧嘩し心を患い医者の世話になっているのである」

そしてこれからの人生について考えさせられる話が続きます。

「・・・引退しなければならない時には感覚器官の働きは取り返しがつかないほど興奮し、その頂点に達しているために感覚の喜びに満ちた現役から退くことは真に残念で、ほとんど不可能なことと思うようになっている。しかしながら、その者はもはや現役を続けることはできないのである。なぜならば、その者の肉体は衰え病気に罹り、優柔不断となり若い世代に押し除けられ、傷つけられ疲れ果てているからであり、惨めな生活を送らなければならなくなっている。」

そして四住期について次のようにまとめています。

「人は聖典に定められているように、四つの住期に従ってはっきりとした目的を持っって生きるならば、この人生を快適に過ごすことができるのである。」

林住期をどう過ごすか?しっかり考えたいと思います。

それにしてもこの本、示唆に富むお話が多すぎで何度も味わいながら読みたいものです。皆様もお薦めです!!

科学で解くバガヴァッド・ギーター

アヒンサー(非暴力)

ヤマ・ニヤマというヨガの八支則のヤマの最初に出てくるのがアヒンサー(非暴力)です。ヤマは禁戒(日常生活でやってはならない5つの心得)・ニヤマは勧戒(日常生活で実践すべき5つの行い)ですが、超普通人で俗世の汚れにまみれている私には極めて実践困難な教えですが、自分の生活に置き換えてできることは何か自分なりに解釈して、少しでも実践しようという姿勢が大事なのだと思います。

非暴力というとインドのガンジーを思い浮かべますが、暴力をしないなんて当たり前じゃん、できている、などと思いますが、少し視点を変えて理解する必要があると思います。

デボラ・アデルという人が書いた「ヤマ・ニヤマ ヨガの10の教え」(ガイヤブックス)を読むとアヒンサーを「愛」「平和」という言葉で説明している箇所があり、アヒンサーを日常生活で実践する上では非常に役立つような気がしますので著書の中から紹介します。

「愛という感情は、非暴力の根底にあり、自分を愛することから始まります。自己中心的な愛じゃなく、寛大で許容的な愛。不完全さに愛しさを見つけ、その人の人間らしさをそのまま受け入れる愛。自分自身の全てをこのように愛せて初めて、このような愛をしっかりと他人に表現できるのです。自分自身の全てを愛するためには、自分自身を許さなければなりません」

「つまるところ、私たちの道徳的義務は1つだけ 自分自身が平和であること もっとずっと平和に そしてそれを周りの人にも伝播させていくこと 自分がもっと平和であれば この混沌とした世界がもっと平和になる」

非暴力= 「愛」と「平和」を日々考える。

自分を愛し、自分を許し、平穏でいること これなら実践できそうかな??