インド(ヒンドゥー経)の代表的な聖典で、2大叙事詩の1つ「マハーバーラタ」18章の第6章がこのバガヴァッド・ギーターです。
わずか700の詩ですが、インドではこの世で知るべき全ての知識を学んだと同じことになると言われているそうです。
マハーバーラタは紀元前8世紀から4世紀の間に作中人物の1人である聖者ヴィヤーサによって書かれたと言われています。
物語はクルクシェートラという聖地で紀元前3000年頃に起こった歴史上の戦いが舞台で、戦いの10日目にクリシュナと戦士アルジュナの間で交わされたと対話形式のものです。
同族間の争いを前に、戦士アルジュナは戦いの意義に疑念を抱き、戦意を喪失します。バガヴァット(聖者)クリシュナは彼のためにヨーガの秘説を説いてアルジュナを鼓舞します。これがこのバガヴァッド・ギーター(神の詩)です。クリシュナの教えを聞いて、アルジュナの迷いは消失し、戦いに向かいます。
インドではこの物語に出てくるクリシュナも仏陀もインド3大神のヴィシュヌ神の化身と言われているようですが、バガヴァッド・ギーターは大乗仏教の教えにも影響を与えているそうで、私には仏教の教えよりも腑に落ちる気がしています。
自分とは何か?世界とは?どうしたら人は苦しみから解放されるのか?全ての解はこの本に書かれているような気がします。機会あるごとに何度も読み返したい1冊です。